私たちとは異なる団体が15cmから募集しているので、混同されている方が多いのだと思いますが、31cm未満で出来るウィッグは、頭頂部に植毛をしないウィッグで、常に帽子をかぶって使用するインナーウィッグと呼ばれるものです。
今まで私たちがプレゼントしてきたお子さんの中には、ウィッグの完成に合わせ転校した中学生や、髪が抜け始めた当初、市販のウィッグを使ったのですが、自分の頭にサイズが合っていなかったため、いじめにあい不登校になってしまった中学生などがおりました。
このように、髪の毛の問題は、思春期の子供たちにとってはとてもデリケートな問題です。
私たちの願いは、髪の毛の問題で塞いでいる子供たちが、少しでも自信を持って日常の生活に戻って欲しいということです。
一定の治療を終え、復学するにあたり、その子のために作ったオリジナルウィッグをつけることにより、少しでも笑顔や元気を取り戻し、前向きになれるのなら、その後の治療や生活にきっといい影響が出ると私たちは信じています。
そして、そのために必要なウィッグは、その子に合わせて型どりをおこなって製作する人毛の医療用オリジナルウィッグなのです。常に帽子で頭頂部を隠さなくてはならないウィッグは、私たちの目指すところではありません。
しかし、それでも毎日たくさんの31cm未満の髪の毛が送られてきます。
問題は、同封されているメッセージを拝見すると、短い髪の毛でも子供たちが望んでいるフルウィッグができると勘違いされていることです。
さらに、31cm未満の髪の毛が増えることで、本来必要な31cm以上の髪の毛が集まりにくくなっている問題もあります。
あと、半年我慢していただければ…… このような髪の毛がとても多いのです。
どうか、ヘアドネーションを考えている皆様は、31cm以上の髪で作られるウィッグと、31cm未満で作られるウィッグの違いをよくご理解の上、ご自身がどこに寄付をするのが一番良いのかを確認してからお送りくださいますようお願いします。
また、一旦加工されたものは、人毛であっても使用することが出来ません。
人毛で作ったエクステやウィッグをお送りいただく場合もあるのですが、こちらも同じように使用することが出来ません。
NPO法人HEROでは、慢性的に50cm以上の髪の毛が不足しております。
ウィッグを申し込んでいる子供たちの9割が女の子なのです......
フルウィッグで使用できない髪の毛につきましては、シャンプーやトリートメント剤、カラー剤の開発に必要な評価毛や、理美容師さんたちが練習で使用するカットマネキンの素材として販売し、その売り上げをウィッグの製作費に充当することで、ヘアドネーションの支援とさせていただいています。